スカンジナビアの電話通信巨大企業テリアソネラ=ユーラシアは今月、スターセルの過半数の株式を4億8800万ドルで取得した。スターセルはカンボジアで4番目に大きい携帯電話キャリアだが、テリアソネラのユーラシア支社長テロ=キヴィサーリは水曜、第四位の地位に甘んじるつもりはないと語った。
「我々のゴールは第四位ではない」と同支社長は、スターセルの150名の社員と会うためのプノンペン訪問中、インターコンチネンタルホテルで水曜に述べた。
スウェーデンのストックホルムに本拠を置くテリアソネラは、28ヶ国で携帯電話事業を保有しており、ストックホルムとヘルシンキの証券取引所に上場している。同社は世界中に32,000人の社員を擁し、2007年の純売上は142億ドルにのぼる。
10月1日、テリアソネラはカザフスタンのバイザーグループからテリアソネラ=アジア=ホールディング社の51パーセント所有権を4億8800万ドルで購入したと伝えられ、これによりスターセル(アプリフォン株式会社)とネパールの携帯電話キャリア スパイス=ネパールの経営支配権を握った。
スパイス=ネパールは160万人の利用者と41パーセントの市場シェアを持つが、2007年10月に局番098で立ち上げられたスターセルの利用者数は10万人、浸透率は約3パーセントだ。
キヴィサーリは、スターセルがテリアソネラを惹きつけた理由は、カンボジアの若くて急伸する人口と高いGDP成長率、そして21パーセントという低い携帯電話普及率であり、これにより同社の成長には大きな伸びしろがあると語った。テリアソネラは迅速にスターセルの顧客数を増加させるつもりであり、そのためにおそらく基地局を増やしていくという。
「我々は長期の投資者だ。我々はここに10年はいるつもりだ」とキヴィサーリは語った。同支社長はイスタンブルにあるテリアソネラのユーラシア支社に拠点を置いている。
キヴィサーリは、カンボジアの携帯電話業界はまもなく合併統合の時代に入るだろう、なぜなら世界でこんなにも高いキャリア数対利用者数の比率を保っている市場はないと語った。ネパールは2800万人の国で携帯電話キャリアは3社だが、カンボジアはその半分の人口で2倍の数のキャリアがある。
「市場が細分化している。何らかの合併話があっても不思議ではない」と同支社長。
スターセルによる経営は保持されるが、テリアソネラは自社の社員を送り込んで変化を看視する、とキヴィサーリ。
アプリフォンCEOダミル=カラッサエフは、テリアソネラは最高水準の専門技術による強大な世界的名声と強力な資金力を持っていると語った。
「テリアソネラからの提案は我々にとって抗いがたいものだった」とカラッサエフは水曜にインターコンチネンタルホテルで、その日の説明会の合間に語った。
「彼らは投資の機会を探していたし、我々はパートナーを探していた」と同CEO。
カンボジアの携帯電話市場は現在、約200万人の利用者を有するモビテルが首位を占めており、カムシンとテレコム=マレーシア=インターナショナル社がともに利用者約50万人でこれに続いている。テリアソネラからのデータによれば、スターセルとカンボジア=アドバンス=コミュニケーションズ(qb)はそれぞれ約10万人の顧客を有している。
モビテル社長でありカンボジアのコングロマリット ザ=ロイヤル=グループのCEOでもあるKith Mengは水曜、テリアソネラによるスターセルへの投資については知っていると述べたが、その取引に関するコメントを控えた。
qbのCEOモルテン=エリクセンは、テリアソネラのカンボジア市場への参入は「長い間非公式には市場に知られていた」ので驚きはほとんどないと述べた。
「カンボジアは、低い普及率と高い成長可能性を持った数少ない市場の一つだ。この市場では競争も激化しつつあるから、競争力を保つためにより多くの投資が必要だ。ゆえに、より大きな産業プレーヤーが強固な資金と長期の展望を持ってやって来ればそれは良いパートナーとして受け入れられる」とエリクセンは月曜、電子メールで述べた。
同CEOはまた、qbは大きな国際プレーヤーから「頻繁に」勧誘されていると述べた。
ソー=クン郵電相は、テリアソネラのカンボジアへの参入については知らないと述べた。
「私はテリアソネラがスターセルを買収したことを知らなかった。企業が他の企業を買収したいときは必ず、まずその情報を郵電省に伝えるべきだ」と同相は水曜に電話で述べた。
2008年10月19日
カンボジアウォッチ編集部
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