ベトナムに住むクメール人に対する人権侵害を論じた会議をプノンペンで開いた2日後、欧州議会のマルコ=パネラ議員とイタリアのマルコ=ペルドゥカ上院議員は火曜、有効なビザを持っているにもかかわらず、ベトナムへの入国を拒否された。
彼らはローマで12月16日にベトナムビザを取得していたにもかかわらず、パネラとペルドゥカはプノンペンで開いた記者会見で、火曜朝のプノンペン国際空港からホーチミン市行きの彼らの便への搭乗を拒否されたと述べた。
2人が便を予約させたベトナムの旅行代理店ヴンタウ=インツアコ=ハノイは火曜、2人は旅程の詳細を適切に提出しなかったため入国を拒否されたと記したFAXメッセージを送ってきた。
「[在ローマ]ベトナム大使館は我々に、旅程表と各ホテル予約票を彼らへ送るよう求めてきたので、我々はカンボジアからホーチミン市へ入り最終的にハノイへ移動するベトナム入国旅程を彼らへ送った」とペルドゥカは記者たちに述べた。
パネラによれば、日曜に放送されたイタリアのラジオ番組で同議員は、ベトナムに住むクメール人に対する人権侵害の疑いを取り上げており、それが入国拒否の理由ではないかと疑っている、と同議員。
フランス語で話したパネラの通訳も務めたペルドゥカは、パネラの言葉はベトナムにおける抗議行動を支持しているかのようにとられたかもしれないが、それはパネラの意図ではないと述べた。
またパネラは、もし2人がベトナムを訪れれば2人の「命を危険にさらす」との脅迫を受け取ったとベトナム政府が伝えてきたと在ハノイのイタリア大使館から火曜午後に知らされたと述べた。
しかしパネラは、そうした脅迫を「名誉」と考えると語り、自分がそれによって行動を思いとどまることはないと述べた。
在プノンペンのベトナム大使館のチン=バー=カム広報官は、2人が入国を拒否されたことについては何も知らないと述べるとともに、それは2人と旅行代理店の間の問題だと述べた。
ペルドゥカは、自分とパネラがこの地域を訪れているのは公的使節訪問ではなく、汎国家急進党のメンバーとしてであると述べた。
その資格において、カンボジアへは3つの目標を念頭に訪れた、と同議員。いわく、ソム=リャンシー党の党員たちを訪問すること、プノンペンにいるクメール=クラオムのリーダーたちと会合すること、ベトナムからカンボジアへ逃れている山岳民族難民の現状への「理解」を深めることだという。
今回2人は、ダライ=ラマを訪問するために12月27日にインドへ飛ぶ日程になっており、最長でそれまではカンボジアに滞在するつもりだと2人は述べた。
その間に、在ハノイのイタリア大使館と在ローマのベトナム大使館職員たちはこの件に関する話し合いを継続して解決を模索する見通しだ、とペルドゥカ。
10月に欧州議会はベトナムに対し、国境地域における「民主主義と人権の侵害」を終わらせるためさらなる努力を求める決議を採択している。決議ではとくにベトナムに住むクメール人をその対象として挙げている。
2008年12月24日 カンボジアウォッチ編集部
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