タイ軍からの迫撃砲・ロケット砲攻撃により3日完全に破壊されたプレア=ヴィヒア州の市場でCD・煙草・香水を売っていた店主の女性チュン=リアン(54)は、攻撃当時の恐怖を語った。
国境におけるカンボジア軍とタイ軍との3日朝の衝突の後、昼には両軍による話し合いが持たれたため、まさかタイ軍が攻撃を再開するとは思わなかったという彼女は、店を閉めることもなく、商品も避難させずに、通常どおり営業を続けていた。
「話し合いが終わったとたん、彼らは市場を砲撃して破壊した」と彼女。
市場には200以上の店舗があったが、跡形もなく破壊されている。彼女のほかにも、焼け焦げた屋根の破片や瓦礫の下から自分の物を探し出そうとする人々がおおぜい見られた。
市場近くに駐屯していたカンボジア軍兵士オー=チョン(36)は、機関銃の銃弾が激しく飛び交って、塹壕から頭を上げることもできなかったと語った。
今回の衝突で、カンボジア軍に死傷者は出ていないとカンボジア側は発表している。タイ側報道ではタイ軍兵士が1名死亡したとされているが、カンボジア軍では高官も兵卒も一様に、タイ軍の死者はもっとずっと多いはずだと考えている。プレア=ヴィヒア寺院におけるカンボジア側の非公式カウントによれば、タイ軍の今回の死者は22名、負傷者30名。
2009年04月06日 カンボジアウォッチ編集部
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