今週カンボジアを訪問したASEANのスリン=ピッスワン事務局長がフン=セン首相と会合した際、10月ブリュッセルで開催予定のアジア欧州会合の場でタイのアピシット=ウェーチャチーワ首相と二国間首相会談を行う可能性を打診していたことがわかった。両首相ともこの会合に出席を予定している。フン=セン首相は「アピシットが同意するなら同意する」と答えたという。カンボジアのクイ=クオン外務省報道官が19日発表した。
この会談は実現すれば、第三国を交えずに行われると報道官は述べた。
膠着しているカンボジア-タイ両国のプレア=ヴィヒア寺院周辺地域の国境確定交渉について、タイはあくまで二国間協議の枠内での交渉を主張し、カンボジアはそれがアピシット政権により故意に遅らされているとして国連やASEANによる調停を求めている。
両国の合同国境委員会による昨年4月の合意は、タイの議会によっていまだ承認されておらず、18日タイ政府は承認の可否を問う採決がさらに延期されたと発表している。
タイのステープ=トゥアクスパン副首相がフン=セン首相と直談判したい意向を発表したことについても、フン=セン首相はただちに歓迎の意向を示したが、アピシット首相は時期尚早としてこれを退けたとタイ発報道は伝えている。
カンボジアが先週ハオ=ナムホン外相名でASEAN議長国ベトナムのファム=ザー=キエム外相宛書簡を発し、ASEANによる紛争調停を求めたことについては、ベトナムのグエン=フオン=ガー外務省報道官が「ASEANによるプレア=ヴィヒア紛争の調停という提案に関し、ベトナムはASEAN議長国として目下積極的に他のASEAN諸国に諮っているところだ」と17日発表している。
2010年08月21日 カンボジアウォッチ編集部
|