ラオスがメコン川のサイヤブリに建設を試みている水力発電ダムの是非について19日開かれたメコン川委員会会合は、建設の延期を主張するカンボジア・タイ・ベトナムと即時建設を主張するラオスとの平行線に終わり、閣僚級協議へ引き上げられることになった。
このダムが建設されれば川イルカを含むメコン川の魚種41種が魚道を奪われ絶滅に瀕し、流域の漁業に壊滅的影響を与えると言われているが、ラオス代表は、ダムの影響は「容認できるレベル」とする従来の主張を繰り返す声明を同日発した。
カンボジア代表は、建設推進サイドからの情報提供が不足しており、環境影響評価もまったく不十分であることから建設の延期を改めて求めた。
ベトナム代表は、すでに中国のダムでメコン川に影響を被っているとして、これ以上のダム建設は少なくとも10年保留、できればキャンセルするべきと主張した。
このダムが完成したあかつきにはタイはその発電量の推定95パーセントを購入する契約をすでに締結しているが、タイ代表は、プロジェクトの持続可能性に疑問があるとしてさらなる協議を求めた。
閣僚級協議は10月か11月に開かれる予定。
タイ『ザ バンコク ポスト』紙はラオスがすでにこのダムへの道路建設を開始していると写真付きで17日付で報じたが、メコン川委員会ではそのような報告は正式に何も受けていないとタエ=ナヴット議長は言い、ラオス政府にただしていきたい考えを明らかにした。
2011年04月22日 カンボジアウォッチ編集部
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