22日からカンボジア-タイ国境で行われている戦闘について、カンボジアのフン=セン首相は27日閣議で「カンボジアは停戦を呼びかける」と述べた。また、来月7日から8日にかけてジャカルタで開かれるASEAN会合でタイのアピシット=ウェーチャチーワ首相と会談したい考えを示した。
「アピシットは停戦交渉の意思を示した。わが国はそれを歓迎する。交渉はASEAN 10ヶ国会合の間に行われなければならない。私はASEANの面前でアピシットと話す」と首相は語り、たとえ議題になくてもこの件を提起したいと話した。
また、プレア=ヴィヒア寺近くの国境係争については国連安全保障理事会とASEANにすでに提起してある以上第三国による調停が必要だとあらためてフン=セン首相は述べたが、一方、ター=モアン寺やター=クロバイ寺を含む他の係争地については二国間協議で足るとの考えを支持すると明かした。
プレア=ヴィヒア寺近くの国境係争地については2月の交戦後、ASEAN議長国のインドネシアが停戦監視団を派遣することでカンボジア・タイ両国政府の合意を得ていたが、タイ軍からの強硬な反対により実現していない。
フン=セン首相は「私はアピシットほど悪いタイ首相に会ったことがない。彼は残虐であり、カンボジアへの攻撃を命令し、カンボジアの主権を奪うと脅した」とアピシット首相を批判するとともに、「カンボジアは貧しく小さいが、わが軍の兵器とてゴムパチンコではないのだから、蟻といえども象を傷つけることは可能だということを忘れるな」と警告した。
またフン=セン首相は、交戦開始以来近くの国境検問所が閉鎖されていて国境貿易が止まっていることについて「タイが国境を閉じるなら、カンボジアはタイからの物を買うのをすべてやめるまでだ。閉じていたら、物がどうやって入ってくることができるだろうか。それならカンボジアは今後タイ製品を使うのをやめる」と述べ、その分はベトナムや中国から輸入すればよいことだとして、「彼らはカンボジアに多くの物を売りたがっているのだ」と話した。
チョアム(チョアム-サガーム)国境検問所のネート=ダラー所長が27日話したところによれば、同検問所はタイ側によって22日以来閉鎖されたままである。オー=スマッチ国境検問所のグイ=チアン副所長によれば、同検問所も閉鎖されている。
現地カンボジア軍筋によれば、ター=クロバイ寺付近では27日の午前5時と正午にも撃ち合いが行われた。戦闘は連続6日目に入った。
カンボジア赤十字社災害管理局のウイ=サムアート局長によれば、ター=クロバイ寺のあるウッドー=ミアンチェイ州の避難民は6,643戸、推計26,572名に達した。避難場所が不足しているという。
避難民の一人は、豪雨の中避難してきたと語り、夕食を入手できなかったと話した。
2011年04月28日 カンボジアウォッチ編集部
|