カエウ=モノロムは26歳のカンボジア女性。彼女は1月7日、コンポン=チナン州で開かれたフン=セン首相杯男子サッカー選手権で、カンボジア初の女性審判としてフィールドに立った。
副審が女性であることを見た観客は驚いた。「おいおい女だぞ」「女が何やってるんだ」そうした反応に対し、彼女は聞こえないふりを押し通した。
あれから約1ヶ月。現在プノンペンのオリンピックスタジアムでは毎週日曜、40チームのトーナメント戦が行われているが、そこでも彼女に対する観客の反応は依然厳しい。「髪を切れ」ときには選手たちからさえ、そうした声が飛ぶという。「なんで女がそんなに走るんだ」「女が男のしりを追いかけて恥ずかしくないのかよ」
「気にしないことが大切。女だってできることを見せてやる」彼女は語る。家族の理解も得ているという。
カエウ=モノロムはカリブ海のキューバへ6年間留学して体育教育を学び、7月に帰国した。彼女はキューバでサッカーをプレーし、学校で審判も務めた。キューバでは、女性が審判をすることに何の抵抗もなかったという。
帰国直前の5月、カエウ=モノロムは日本サッカー協会の審判インストラクター唐木田徹によって、審判としての訓練を開始した。クラスには他に4人の女性と40人の男性がいたが、唐木田は4日、他の4人の女性は審判として活躍することはないだろうと語った。
「カエウ=モノロムは試合のルールをすでにわかっている。強い心と自信も兼ね備えている。これが非常に重要なことだ」と唐木田は述べた。
2009年02月10日
カンボジアウォッチ編集部
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