タクシーを奪って逃走したスイス人の男ペーター=シュヴァイツァー(59)に対し、プノンペン市裁判所は11日、懲役5年の実刑判決を言い渡した。
シュヴァイツァーはタクシーを雇い、プノンペンからコムポート州に入って一時休憩中に、自動車を運転手から盗んで逃走し、5月25日に逮捕されていた。その後、プレア=モニボン病院に収容されて精神病治療を受けていた。
先月23日に開かれた公判でシュヴァイツァーは「運転手が私の金品を奪って私を殺すのではないかと怖くなったので、車を奪って逃げた」と話し、自分には被害妄想の気があって、ときに自分を制御できなくなると陳述した。
被告の弁護を務めたサート=ティダー弁護士は「被告はスイスで2年間の通院歴があり、自分を制御できなくなることがあり、その旨のスイスの病院からの証明書もある」と弁論し、酌量を求めていた。
カンボジアの法律や判例では、精神疾患を理由に減刑が認められることはない。
2009年12月31日
カンボジアウォッチ編集部
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