カンボジア政府は豚の輸入を禁止した。ペッチ島で4日行われた大学卒業式でフン=セン首相が発表した。
主にベトナム国境沿いで豚繁殖・呼吸障害症候群(通称青耳病)の感染が拡がっているため、これを阻止する狙い。
国内産豚肉だけでは豚肉流通が品薄気味となることが予想されることから、首相は精肉店に対し、価格の釣り上げを行わないようあわせて呼びかけた。
カンボジア政府は2007年に口蹄疫拡大防止の目的で同様の豚輸入禁止政策を採ったことがあるが、豚肉価格が上昇しすぎ、7ヶ月で撤廃した経緯がある。
青耳病は空気感染し、「豚のSARS」の異名を持つ。チャン=サルン農林水産相は4日朝、地方当局担当者を集めて会議を開いた。会議終了後農水相は、青耳病はタイ・ラオス・ベトナムの豚に拡大しているが、これを殺処分せず、症状が目立つ前にカンボジアへ輸出してしまう農家もあると述べた。地方当局は対策を怠り、こうした豚を国内へ入れてしまっていたという。
米国国際開発庁(USAID)の資金で運営されているMSMEプロジェクトの責任者を務めるカーティス=ハンドリー氏は、「誰もが予想していたより早く行われたと思う」と述べ、迅速な禁止措置を歓迎した。
2010年08月06日
カンボジアウォッチ編集部
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