コンポン=トム州の32の地区に住む3,800世帯強が27日、森林14,300ヘクタール超の政府認定公式管財人に指定された。この種のプログラムとしてはカンボジアで2例目となる。
これによって住民は、森林を守る役割を担うほか、森林とその産物を利用して生計を立てる権利を正式に有することになる。
コンポン=トム州のナム=トゥム知事は26日、「現在、森林は減少している。だから、そこに住んでいる住民が政府と協力すれば、森林をより効果的に守ることができるだろう。また住民は、この森林から樹液やつるなどを集めて利益を得ることもできる」と述べた。同知事によれば、今回の対象地域は、同州の2つの郡を除く全域に散らばっている。
このプロジェクトにかかわっているNGO「RECOFTC」のカンボジア担当で、コンポン=トムにおけるチーフ技術アドバイザーも務めるジェイムズ=バンプトンによれば、住民は、この森林の管理権を法的に認める15年契約に署名しており、住民の希望次第で延長も可能だ。
「森林全体を一人のレンジャーに担当させるより、村全体で見張るほうが、コミュニティの力で法の遵守を強化できる」と同氏。
この種のカンボジア初の試みは2007年11月、シエムリアプ州の18地区の森林約5,000ヘクタールに対して開始された。今ではカンボジア全体で約300の地区が、推計300,000ヘクタールの森林に対して、同種の制度を取り入れようとしている。
ソンダン郡で地区森林リーダーを務めるスーム=スィエンは、このように権限を政府から地域住民へ委譲することは、近年の不法伐採を防いで森林を守るために有効だと語った。
2009年03月28日
カンボジアウォッチ編集部
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