カンボジアのプノンペン国際空港のフェンスにへばりつくように建てられている建物群の住民およそ74戸に対して、空港が位置するダンカオ区の区役所は12日、5月7日までに立ち退くよう命令書を発した。
命令書に署名したKuch Naren区長は22日、「彼らは公道上に家を建てている。我々は航空機の離着陸の安全を確保する必要がある。航空機がこれらの家屋に衝突することを防がなければならない」と述べた。
命令書によれば、対象となっている建物群は、空港に接するロシア連邦大通りとチャオム=チャオ地区Prey Chisak村のチャオム=チャオ通りに沿って公道ないし公有地上に建てられている。
これに対し住民は21日、ここにはもう何十年も住んでおり、2001年土地法により土地所有権と建物所有権が完全に認められるはずだとして、内務省に不服を申し立てている。
内務省のキエウ=ソムペアク広報官は22日、不服を受理したことを認めたが、区当局・市当局が提示するであろう補償や代替地移転を住民は受け入れるべきだと述べた。
「世界の国々を見てほしい。先進国であれ発展途上国であれ、空港のフェンス沿いに家が建っている国などどこにもない」と同広報官は語った。
2009年04月23日
カンボジアウォッチ編集部
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