豪クイーンズランド州ナンボー出身でベトナム在住のグラフィックデザイナー デイヴィッド=マクミランさん(29)と、同州ゴールド=コーストのキース=ロザラムさん(60)は、カンボジア北東部での4ヶ月の捜索の末、1970年4月6日に失踪したシーン=フリンさんのものである可能性が高い遺骨を土中から14日に発見したと発表した。遺骨はすでに米国へ送られており、DNA鑑定と歯科記録照合が行われる予定だ。豪クイーンズランド州を中心に読者を持つ『クーリエ メール』紙が今日28日報じた。
フリンさんは、『タイム』誌のフォトジャーナリストとしてベトナム戦争を現地取材中、米国人ジャーナリストとともに失踪した。フリンさんは俳優時代に歯科治療を受けており、遺骨の写真にその跡が認められると専門家は述べている、とロザラムさん。
シーン=フリンさんは、豪タスマニア州出身の有名ハリウッド俳優エロール=フリンさんの息子。エロール=フリンさんの最初の妻であるフランス人有名女優リリー=ダミタさんは、息子の失踪を悲しみ、その捜索に多額の資金を提供したが、成果を得ることなく1994年に亡くなっている。シーン=フリンさんの妹ロリーさん(53)は「見つかったのが兄であることを祈っている。一日も早く、兄が故郷へ帰ってくることができるように」と語った。ロリーさんは、ともに育った兄をしのび、自分の息子をシーンと名づけている。
発掘は、シーン=フリンさんに似た特徴の西洋人男性が1971年にここでクメール ルージュに処刑されたという、地元カンボジア人からの目撃情報を元に進められた。何の目印もない地面。摂氏45度の灼熱の作業。クメール ルージュは、その男性に自分の墓穴を掘らせたあと、銃殺しようとしたが、銃が故障していたため、後頭部を石で殴り殺したという。この情報を提供したカンボジア人も、その成果を見ることなく先ごろ亡くなった。遺骨周辺からは、衣服や、犠牲者を拘束したジャングルのつたもあわせて見つかったという。
2010年03月28日
カンボジアウォッチ編集部
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