ウム=セッティー文部相は5日付でキエウ=カニャルット情報相宛書簡を発し、この中で、ペン=プットスピア氏著の一般教養科目の試験対策の学習参考書2冊にフン=セン首相と与党カンボジア人民党を批判する文面があるとして、全国書店からの没収を提起した。「ザ プノンペン ポスト」紙がその書簡のコピーを入手したとして今日14日報じた。
書簡の余白に情報相が手書きで「すべての州・市の情報局は当該書籍を回収し、その出版者に警告を与えること」と書き込んでいるという。
書簡に添付されているコピーによれば、うち1冊の146〜147ページには「問:近い将来、カンボジアは発展することができるでしょうか。それはなぜですか。カンボジア社会の人権と自由の実現状況についてあなたはどう考えますか。答:現在フン=セン首相によって率いられている政府は、汚職が上は政府トップから下は地方レベルにまで横行しており、また法の執行力と人権の実現状況はいまだゼロよりも低いことから、カンボジアを近い将来に進歩へ導くことはできないでしょう」と記されているという。
ペン=プットスピア氏は、回収はカンボジアの憲法に保証されている言論の自由に反すると12日述べるとともに、2006年から売っているこれらの著書が今になって問題にされるのは奇異に感じると語った。
2010年07月14日
カンボジアウォッチ編集部
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